helmchart/secret-manager が各ネームスペースへ配布する cred-* Secret を WordPress 側から参照できるようにする(phpfpm と同一方針)。 - extraEnvFrom / extraEnv: 既存 Secret/ConfigMap を wordpress コンテナへ env 注入 - smtp.auth.existingSecret / existingSecretKey: パスワードファイルだけ既存 Secret から取得 - smtp.existingMsmtprcSecret / existingMsmtprcSecretKey: 完成済み msmtprc を そのままマウント(指定時は configmap-smtp を生成せず host/port/auth.* は無視) 既定値は全て空のため既存挙動は不変。手動リリース 7.1.0-b。
10 KiB
CLAUDE.md — WordPress Helm Chart
共通ルール(要約) — 詳細は
P:\Claude\CLAUDE.md(全体共通)とP:\Claude\HelmChart\CLAUDE.md(Helm チャート共通: リリースフロー・ワークフロー・クラスタ構成)を参照。 作業前に pull / 機能変更時は README 更新 / 作業単位ごとに commit → push まで / コミットに AI クレジットを付けない / pull で入った変更を revert しない / Helm・PHP はローカル実行不可(Python のみ可)。
リポジトリ概要
Raspberry Pi などのベアメタルで稼働することを想定した、Kubernetes 上で動作する Alpine Nginx + WordPress (PHP-FPM) の Helm チャート。
- Gitea リポジトリ:
ssh://git@192.168.9.65/helmchart/wordpress - Helm リポジトリ:
https://git.cafepieters.com/api/packages/helmchart/helm
実行環境について
WordPress本体はイメージ内蔵のもの(docker.io/wordpress:<tag>-fpm-alpine)をemptyDirにコピーして使い捨てで起動し、wp-contentのみPVCで永続化する(bitnami方式)。PHPの実行環境はこのイメージに依存し、本リポジトリにPHPコードは含まれない。
設計上の注意(このチャート固有)
templates/service.yamlには annotations のテンプレート化が存在しないため、kube-vip 用アノテーションは Helm 管理外で手動付与する運用になっている(クラスタ全体の事情は組織 CLAUDE.md「実運用クラスタ構成」を参照)。- 実 IP 取得(
ingress.yaml/nginx.forwardRealIP)は既存機能で対応済み。Cilium Ingress への移行手順は README に記載。
チャート改修履歴
外部Secret連携(extraEnvFrom / extraEnv / SMTP existingSecret)を追加(2026-09-08, v7.1.0-b)
背景: 別リポジトリの helmchart/secret-manager チャートが各ネームスペースへ配布する
cred-<名前> Secret(メールの msmtprc / API キー)を WordPress 側から参照する口が無かった。
phpfpm チャートと同一方針で受け口を追加(ユーザー指定によりパターンを踏襲)。
修正内容:
values.yamlにextraEnvFrom(envFrom配列)とextraEnv(生の env エントリ配列)を追加。 稼働中のwordpressコンテナにのみ注入(wordpress-initinitContainer には入れない)。smtp.auth.existingSecret/existingSecretKey: msmtprc はチャート生成のまま、パスワード ファイルだけ既存 Secret から取得。smtp.existingMsmtprcSecret/existingMsmtprcSecretKey: 完成済み msmtprc を持つ既存 Secret を そのまま/etc/smtp-config/msmtprcにマウント。指定時はconfigmap-smtpを生成せず host/port/auth.* は無視、smtp-secretsボリュームも張らない。起動ログの echo も出し分け。templates/secret-smtp.yaml/templates/configmap-smtp.yamlを上記フラグで出し分け。- 既定値は全て空 → 既存挙動は不変(
helm templateの全シナリオで確認済み)。 - 主アプリ(WordPress 7.1.0)は変わらないため手動リリース
7.1.0-b。
対象ファイル: values.yaml, templates/deployment.yaml, templates/configmap-smtp.yaml,
templates/secret-smtp.yaml, Chart.yaml, README.md, CLAUDE.md
Hello Dolly等のデフォルトプラグインが削除しても復活する不具合の修正(2026-08-08, v7.1.0-a)
※自動更新ワークフローがこの作業と並行してWordPress 7.1.0への正式リリース(v7.1.0)を実行したため、本修正はそのタグの上に手動リリース 7.1.0-a として適用した。
症状: WP管理画面からHello Dolly(hello.php)を削除しても、Pod再起動のたびに復活する。
原因: templates/deployment.yaml の wordpress-init initContainerで、WordPressコアファイルをemptyDirにコピーする処理が cp -r /usr/src/wordpress/* /var/www/html/ という実装になっており、wp-content を除外していなかった。/var/www/html/wp-content はPVCマウントの別ボリュームだが、cp -r はワイルドカード展開で wp-content ディレクトリ自体も対象に含めてしまうため、イメージ同梱のデフォルトwp-content(hello.php、akismet/、デフォルトテーマ群)がPod再起動のたびにPVC上の既存wp-contentへ無条件に上書きマージされていた。直後にある「PVCが空の場合のみ初期化する」条件分岐(if [ ! -d /var/www/html/wp-content/themes ])は、この最初の cp -r の副作用までは防げていなかった。
対象: Hello Dolly(hello.php)だけでなく、Akismet(wp-content/plugins/akismet/)も同じ理由で同様に復活する。本チャート自身が明示的にwp plugin install等でプラグインを追加している箇所は存在しない(該当するのはWordPressコア配布物に同梱されているこの2つのみ)。
修正内容: コアファイルのコピーを /usr/src/wordpress/ 直下を1件ずつ列挙し、wp-content をスキップするループに変更。これによりPVC上のwp-contentは、新規インストール時(PVCが空=wp-content/themes が存在しない場合)以外は一切触れなくなった。
対象ファイル: templates/deployment.yaml, README.md, Chart.yaml
実IP取得の修正 + SMTP経由メール送信の追加(2026-08-08, v7.0.2-a)
背景: ルーター(グローバルIP)配下の 192.168.9.x セグメントにコントロールプレーン/ワーカーノードがあり、その上のPodでWordPressが稼働する構成において、(1) 訪問者の実IPアドレスが正しく取得できない、(2) wp_mail() によるメール送信が失敗する、という2つの不具合が報告された。
(1) 実IPアドレス取得の不具合
原因は2つ複合していた:
- Service(
LoadBalancer/MetalLB想定)はデフォルトのexternalTrafficPolicy: Clusterのため、kube-proxyが送信元IPをノード内部IPにSNATしてしまい、Nginxの$remote_addrが実IPではなくノードIPになっていた。 - 本チャートの
nginx.forwardRealIP(X-Forwarded-Forを信頼するreal_ipモジュール設定)は、Ingress ControllerやCDNなどXFFヘッダーを付与するリバースプロキシが前段にある場合にのみ機能する設計だが、このベアメタル構成ではService直下にPodがぶら下がるだけでXFFを付与する層が存在せず、機能していなかった(trustedProxiesに192.168.0.0/16が含まれるためSNAT後のノードIPを「信頼済みプロキシ」とみなしてしまうが、そのIPがXFFを付与するわけではないので$real_ipは結局SNAT後のIPのままになる)。
さらに、wp-config.php 生成テンプレート内でPHP側が生のX-Forwarded-Forヘッダーを無条件に信頼してREMOTE_ADDRを上書きする処理があり、Nginxのreal_ip信頼境界を迂回してクライアントがIPを詐称できる状態だった(副次的なセキュリティ上の問題)。
修正内容:
values.yaml:service.externalTrafficPolicy: Localをデフォルト追加(SNATを回避し実IPをそのまま透過させる。MetalLB L2モード等と組み合わせる想定。ClusterIPでは無視される)。templates/service.yaml:externalTrafficPolicyを条件付きで出力するよう変更。templates/deployment.yaml:wp-config.php内のPHP側REMOTE_ADDR再判定処理を削除(NginxのfastcgiパラメータでREMOTE_ADDRは既に正しく渡っているため不要かつ危険だった)。values.yaml/README.md:nginx.forwardRealIPは本当にXFFを付与するリバースプロキシが前段にある場合のみ有効化する旨を明記。
(2) メール送信の不具合
原因: 使用しているAlpineベースのWordPressイメージには、PHPの mail()(wp_mail() が内部的に利用)を実際に配送するMTA(sendmail相当)が同梱されておらず、sendmail_path の送信先が存在しなかった。
修正内容(helmchart/phpfpm チャートと同一の手法を採用。ユーザー指定によりphpfpmの実装パターンをそのまま踏襲):
values.yamlにsmtp.*セクションを追加(enabled/host/protocol/port/auth.*/from/tls.*)。templates/configmap-smtp.yaml(新規):/etc/msmtprcを生成するConfigMap。templates/secret-smtp.yaml(新規): SMTPパスワードを格納するSecret。templates/deployment.yaml:smtp.enabled: trueの場合のみ、wordpressコンテナの起動コマンドをシェルラッパーに変更し、apk add msmtp ca-certificates→/etc/msmtprc配置(chmod 644、www-dataから読めるように) → PHPのsendmail_pathをmsmtp -tに向ける99-smtp.iniを生成 →exec php-fpmという順で起動する。apk addにrootが必要なため、SMTP有効時のみ既存のsecurityContext: runAsUser/runAsGroup: 82を外している(PHP-FPMワーカー自体はイメージ標準のwww.confによりuid82で動作するため、実際のPHPコード実行権限は変わらない)。smtp.enabled: false(デフォルト)では従来どおり非rootで起動する。- msmtpのパスワードはmsmtprcに直書きせず
passwordeval "cat /etc/smtp-secrets/password"で別ファイル参照(phpfpmのCHANGELOG-8.5.6-f/g.mdで判明した「Secret/ConfigMapの権限が0600だとwww-dataから読めない」問題を踏まえ、最初から0644で実装済み)。
- WordPress本体は
wp_mail()が自動的にmail()/sendmail_pathを経由するため、phpfpmと異なりPHPコード側の変更(ヘルパークラスの読み込み等)は不要。
対象ファイル: values.yaml, templates/service.yaml, templates/deployment.yaml, templates/configmap-smtp.yaml(新規), templates/secret-smtp.yaml(新規), README.md, Chart.yaml